
こんにちは。エステー特命宣伝部長の高田鳥場です。今週から「消臭力 ぷくポン」の新CM「ミゲル&ディラン ポルトガルデビュー」篇のオンエアが開始し、ミゲルのメジャーデビューCDも発売されますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今年4月、なかなか企業はそれまでのようなCMを流せる状態にありませんでした。そんな中、エステーはミゲルが歌うCMを流したわけですが、震災から数ヵ月がたった夏、弊社の鈴木喬社長からこんなことを言われました。
鳥場君、震災後にCMを制作するのは怖かっただろう? 何かあったら会社を辞める気だったんだろう?
いやぁ、ありがたかったですよ…。
今年ほど広告のあり方について考えた年はなかったかもしれません。震災以降、CMを含めた企業の広告・広報活動って、実は「志」を見せることなんだ、と思うようになりました。「私たちはこういった志を持っていますが、いかがでしょうか」ということを人々にお見せする。それをみた人の反応から、私たちは「自分たちの志」を「こっちでいいのね」と判断できる。
結局のところ企業は、発すべきメッセージについて、自分たちの専門領域である部分に関して、専門家としての志を伝えることが大切なのではないでしょうか。
「伝える」ということにおいては、昨今インターネットを使った広告やプロモーションが花盛りですが、「ツールと人間」についてお話したいと思います。
ネットというのは個人が自由に書きこむ場なため、企業が「言ってほしいこと」ばかり皆が言ってくれるわけではなく、企業の「意図」どおりに受け取ってもらえるとも限りません。ネット上での企業とユーザーのコミュニケーションは、難しいものです。
ミゲルとT.M.Revolution 西川貴教さんのコラボCMを作りましたが、あの企画は簡単にいえば「ツイッターを使った企画」です。ツイッターで西川さんが消臭力の歌をカバーしたことをツイートし、それをファンが私に教えてくれ、私が西川さんにツイッターでお礼を言い、そこから企画がトントン拍子で進んでいった。
でも、ここでは「ツイッター」ということが最重要なのではなく、おおもとに西川さんの気持ちと、それを支えてくれたファンの存在があったからです。だから、ツイッターありき、というよりもあの方々の気持ち、感情ありきなんですよ。それを後押ししたのがツイッターというツールだったのです。「ネットを使えば自動的に話題が拡散します」みたいな話ではなく、人間的で、もっとも自分の感情を出せる場としてツイッターがあったということです。
ツイッターって、向こうに何十万人もの人がいて、その人たちと会話する。そりゃあ疲弊しますよ。この半年、ツイッターを使っていて楽しかったですし、さまざまな発展がありましたが、疲弊しました。それは宣伝をツイートしまくったからではありません。まずは皆さんに誠心誠意「ありがとう」と言いたかったのですね。表面上ではなく心を込めて言ったつもりです。だから疲弊したのだと思いますが、それは心地よいものでした。
ネットって、入り込むとものすごく温かく、その裏で、冷たく残酷な面もあります。ネット上には感情の渦というものが存在しています。ネットをシステム論、単純なツールとしてだけ捉えるのではなく「感情を考える」「心を込める」「志を見せる」ということを大切にしていきたいと思います。
文/高田鳥場(エステー特命宣伝部長)
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